帯状疱疹後の痛みはいつまで続く?|自宅でできるケアと鍼灸院での改善法

「もう何ヶ月も続くこの痛み、いつになったら終わるの…?」
これは、私が診療室でよく耳にする言葉です。
こんにちは、京浜東北線大森駅・徒歩4分で鍼灸院を営む太田です。今日は帯状疱疹後神経痛についてお話ししたいと思います。
帯状疱疹にかかった後、赤い発疹やぶつぶつは治ったのに、なぜか痛みだけが残る—そんな辛い状況に戸惑っている方が本当に多いんです。
帯状疱疹後神経痛って何?痛みはいつまで続くの?
実は、帯状疱疹の皮膚の症状(赤い発疹や水ぶくれ)は3〜4週間で治るのが一般的です。でも、痛みはそれよりずっと長く続くことがあるんです。
医学的には、皮膚の症状が治ってから3ヶ月以上痛みが続く場合を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。この状態が数ヶ月、時には数年続くこともあります。
年齢で変わる痛みの続く期間
「私の場合はどのくらい続くの?」という質問をよく受けます。実は年齢によって大きく違うんです。
🔹 40歳未満:
ほとんどの場合、数週間で痛みも消えていきます
🔹 50〜60歳:
約10人に1人が3ヶ月以上痛みを感じます
🔹 70歳以上:
約4人に1人が3ヶ月以上、約7人に1人が1年以上も痛みに悩まされます
医学的には、皮膚の症状が治ってから3ヶ月以上痛みが続く場合を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。この状態が数ヶ月、時には数年続くこともあるのです。
帯状疱疹を経験した著名人たち
帯状疱疹は誰にでも起こりうる病気です。実際、多くの著名人も経験しています。
ジョージ・クルーニー:撮影中に帯状疱疹を発症し、顔の半分に強い痛みを感じたと告白
イチロー選手:現役時代に帯状疱疹になり、一時期試合に出場できなくなったことがあります
森光子さん:帯状疱疹後神経痛の痛みと闘いながら舞台に立ち続けたことを自伝で語っています
彼らのような有名人でも苦しんだ病気ですから、決して珍しいものではありません。日本では年間約60万人が帯状疱疹を発症すると言われています。
「ピリピリ、ズキズキ」その痛みの正体は?

「電気が走るような痛み」「触れるだけで痛い」「焼けるような痛み」—患者さんからこんな表現をよく聞きます。これらはすべて神経が傷ついた証拠なんです。
私は患者さんにこう説明しています。「帯状疱疹の痛みは、ただの皮膚の痛みではありません。神経そのものが傷ついているのです。だからこそ、通常の痛み止めが効きにくいケースも多いのです」
帯状疱疹の正体:眠っていたウイルスの目覚め
実は帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが原因です。このウイルス、完全に体から消えることなく、神経の中で長い間眠っていたのです。
そして、ストレスや疲れ、年齢による免疫力の低下をきっかけに、このウイルスが目を覚まし、神経を攻撃し始めます。その結果、皮膚に帯状の発疹が現れ、強い痛みを引き起こすのです。
帯状疱疹後神経痛の3つのツボ
東洋医学では、帯状疱疹後神経痛に効果的なツボがあります。私が臨床で特に効果を感じているツボを3つご紹介します。
1. 関元(かんげん)
免疫力アップのツボ
おへそから指4本分下にあるこのツボは、東洋医学では「気力の源」とされています。ここを温めることで全身の免疫力が高まり、痛みも和らぐケースをたくさん見てきました。
やり方はとっても簡単!
✅ ドライヤーの温風を弱めに設定
✅ 関元に向けて約5分間温める
✅ 毎日続けることがポイント

2. 合谷(ごうこく)
痛みを遠ざける手の甲のツボ
手の甲、親指と人差し指の間にあるくぼみが合谷です。このツボは上半身の痛みに効果的で、特に顔や首、肩の帯状疱疹後神経痛に良いとされています。
<押し方のコツ>
✅ 反対の手の親指で優しく押す
✅ 「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで
✅ 5秒押して3秒休む、これを10回繰り返す

3. 足三里(あしさんり)
回復力アップのツボ
膝の下、指4本分下の外側にあるツボです。「長寿のツボ」とも呼ばれ、全身の回復力を高める効果があります。帯状疱疹後神経痛だけでなく、疲労回復や免疫力向上にも役立ちます。
<見つけ方と押し方>
✅ 膝のお皿の下端から指4本分下がったところ
✅ 足の外側のすね骨の横にあるくぼみを探す
✅ 両足にあるので、両方押すとより効果的

自宅でできる!痛みを和らげる5つの方法
ツボ押しに加えて、私が患者さんに勧めている自宅でできるケア方法をご紹介します。
1. 温かい食事で体を内側から温める
冷たいものの摂りすぎは、痛みを悪化させることがあります。温かいスープや鍋料理など、体を温める食事を心がけましょう。
特に、ビタミンB群を多く含む食品(レバー、豚肉、卵、乳製品など)は神経の修復を助けるので積極的に摂りたいものです。

2. 痛みを忘れる時間を作ろう
痛みに集中すればするほど、痛みは強くなります。好きな音楽を聴いたり、軽い散歩をしたり、趣味に没頭したりして、痛みから意識をそらす時間を作ることも大切です。
当院に通われている佐藤さん(仮名・65歳)は「孫の写真を整理している時だけは痛みを忘れられる」と話されていました。そこで毎日30分は必ず写真整理の時間を作ることをお勧めしたところ、全体的な痛みの感覚も徐々に和らいできたそうです。
3. 良質な睡眠を確保する
睡眠中に体は修復されます。特に神経の回復には良質な睡眠が欠かせません。
私が患者さんによく説明するのは、「痛みと睡眠不足の悪循環」についてです。痛みがあると眠れなくなり、睡眠不足が続くとさらに痛みに敏感になってしまうのです。この悪循環を断ち切ることが大切です。
「夜になると痛みが強くなる気がする」という患者さんも多いのですが、これは疲れが溜まり、痛みへの意識が集中するためでもあります。寝る前のリラックスタイムを大切にしましょう。
4. 軽い運動で血流改善
痛みがあると動くのが怖くなりますが、適度な運動は血流を改善し、痛みの緩和に役立ちます。特にウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことをお勧めします。
私の患者さんで、毎朝10分だけのラジオ体操を始めたところ、徐々に痛みが和らいできた方もいます。体を動かすことで、自然な鎮痛物質(エンドルフィン)が分泌されるんですよ。

5. 入浴で温めてリラックス
温かいお風呂に浸かることで、筋肉の緊張がほぐれ、痛みが和らぐことがあります。ただし熱すぎるお湯は逆効果になることもあるので、38〜40度くらいのぬるめのお湯に10〜15分浸かるのがおすすめです。
入浴剤を使うのも良いですね。特にラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のあるアロマの入浴剤は、心身ともにリラックスさせてくれます。
「もう限界…」そんな時は専門家に相談を
自宅でのケアを続けても、以下のような場合は専門家の治療を検討しましょう:
✅ 痛みが3ヶ月以上続いている
✅ 痛みで夜眠れない日が続く
✅ 薬を飲んでも痛みが和らがない
✅ 痛みのせいで気分が落ち込む
我慢は美徳ではありません。特に神経の痛みは、放っておくと慢性化しやすいのです。
私の体験:母のリウマチから学んだこと

私がこの道に進んだきっかけは、リウマチに苦しみながら私を育ててくれた母の姿でした。関節の痛みや変形に苦しむ母を見て、「痛みで苦しむ人の力になりたい」という思いが芽生えました。
整体師としてのキャリアを経て、34歳で鍼灸の専門学校に入学。朝は勤務、昼は学校、夜は再び勤務という生活の中、家族の支えもあって国家資格を取得しました。
痛みを抱える方の気持ちが痛いほどわかるからこそ、できる治療があると信じています。
鍼灸治療で痛みから解放された人たち
当院に通われている田中さん(仮名・65歳)はこう話されています。「私は1年以上、帯状疱疹後の痛みに悩まされていました。薬も効かず、もう一生この痛みと付き合うしかないのかと絶望していました。でも、おおた鍼灸院での治療を始めて2ヶ月、今では痛みがほとんど気にならなくなりました」
また、最初は鍼が怖くて躊躇していたという鈴木さん(仮名・58歳)は「思ったより全然痛くなかったです。それどころか、施術後はスーッと体が軽くなって、帯状疱疹の痛みも和らぎました」と喜ばれています。
東洋医学の知恵で痛みを根本から改善
私が19年の臨床経験で確信しているのは、東洋医学には西洋医学だけでは対処しきれない痛みを改善する力があるということです。
東洋医学では、帯状疱疹後神経痛を「気血の滞り」と「正気(免疫力)の低下」が組み合わさった状態と考えます。
私たちの鍼灸治療では、以下の3つのアプローチで痛みの改善を目指します:
- 痛みの緩和:鍼やお灸で局所の血流を改善し、痛みを和らげます
- 免疫力の向上:全身のツボを刺激して、自然治癒力を高めます
- 自律神経の調整:ストレスや緊張を緩和し、体全体のバランスを整えます

鍼を刺すと、体内で自然な鎮痛物質(エンドルフィン)が分泌されるんです。これが痛みを和らげる効果があります。実際、多くの患者さんが「施術後はふわっと軽い感じになる」と表現されます。
おおた鍼灸院の特別な施術:刺絡(しらく)
当院では、通常の鍼灸に加えて「刺絡(しらく)」という特別な技術も提供しています。
刺絡は、うっ滞した血を少量排出することで、新しい血の循環を促進する方法です。特に長期間続いた痛みに効果的なんですよ。
この技術は1000年以上の歴史を持つ伝統的な施術法ですが、正しい知識と技術がないと行えません。私は19年の臨床経験を活かし、安全で効果的な刺絡施術を提供しています。
当院の患者さんで、5年間続いた帯状疱疹後神経痛が、刺絡を含む治療を3ヶ月続けることで大幅に改善したケースもあります。
よくある質問
Q: 帯状疱疹の痛みはいつ病院に行くべきですか?
A: 赤い発疹が出たり、ピリピリした痛みを感じたらすぐに病院へ行ってください!特に72時間以内の治療開始が重要です。早期に抗ウイルス薬を投与された方は、後々の神経痛になりにくい傾向があります。
発症から72時間以内に抗ウイルス薬の投与を受けた患者さんは、帯状疱疹後神経痛の発症率が約半分に減少するという報告もあります。
Q: 鍼灸治療は痛いですか?
A: 「鍼=痛い」というイメージをお持ちの方は多いですが、当院に来られる患者さんの多くが「思ったより全然痛くない」と驚かれます。使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、熟練した技術で痛みを最小限に抑えています。
当院の患者さんである山田さん(仮名・70歳)は「注射が大の苦手で最初は怖かったけど、鍼は全然違いました。チクッとする程度で、すぐに気持ちよくなります」と話されています。
不安な方には、まずはお灸から始めることも可能です。
Q: 何回くらい通えば効果がありますか?
A: 個人差はありますが、多くの方が3〜5回の施術で何らかの変化を感じられます。長期間続いている痛みの場合は、10回程度の施術が必要なケースもあります。
当院では、初回の施術後に「どのくらいの期間、どのくらいの頻度で通院が必要か」について、症状に合わせた見通しをお伝えしています。
こんな方におすすめします
私の経験から、鍼灸治療は特に以下のような方に効果的だと感じています:
✅ 薬を飲んでも痛みが取れない方
✅ 3ヶ月以上痛みが続いている方
✅ 自然な方法で痛みを和らげたい方
✅ 根本から体質改善したい方
✅ 医療機関での治療と併用したい方
諦めないでください。長く続く痛みでも、必ず改善の可能性はあります。私はこれまで数百人の帯状疱疹後神経痛の患者さんを診てきましたが、多くの方が鍼灸治療で痛みの軽減を実感されています。
おおた鍼灸院 大森へのアクセス
初めての方でも安心して来院いただけるよう、丁寧なカウンセリングを心がけています。帯状疱疹後神経痛で、お悩みでしたらご相談ください。
🚶 アクセス:
京浜東北線大森駅・徒歩4分
〒143-0023
東京都大田区山王2丁目7番27号旭ビル1階
🕒 営業時間: | 平日 9:00〜19:00 土日祝 9:00〜17:00 |
🚫 定休日: | 水曜日・木曜日 |
ご予約・お問合わせはこちらから

📞03-6429-9203
さいごに:痛みのない生活を取り戻すために
帯状疱疹後の痛みは、適切なケアと治療で必ず改善の可能性があります。自宅でのケアを続けながら、症状が長引く場合は専門家の治療を検討してみてください。
私は19年間の臨床経験から、「痛みと一生付き合うしかない」と諦める必要はないと確信しています。新たな選択肢として鍼灸治療を試してみませんか?あなたの「痛みから解放されたい」という想いに、私たち全力でお応えします。
帯状疱疹後の痛みでお悩みの方、ぜひ一度おおた鍼灸院にご相談ください。あなたの笑顔を取り戻すお手伝いをさせてください。
